こんにちは、現役介護職のリョーマです。
介護の仕事をしていると、どこかで「終末期(ターミナル)ケア」と言う言葉を耳にしたこことがあると思います。
私はケアマネをしているので、業務の中で実際に関わることも多いです。
しかし、ターミナルケアについて専門的に勉強する機会は意外とないんですよね。
そんな知識に飢えた介護職に朗報です。
「終末期(ターミナル)ケア」のスペシャリストを養成するために終末期ケア専門士と言う資格が創設されました。
今回は終末期ケア専門士について、公式テキストや資格内容なども含め、徹底的に解説をします!
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目次
資格創設の時代背景:多死社会を迎える日本

「多死社会」の到来
2019年、総務省によれば日本の高齢者(65歳以上)の人口が3588万人と過去最多になったそうです。
100歳以上は7万人を超え、100歳を超えた方も珍しくなくなりました。総人口に占める高齢者の割合は28.4%と、世界で最も高くなっています。
高齢者が増えることは、同時に死亡者も増えることを意味します。
人口動態統計によると、現在年間で約136万人が亡くなっており、死亡者は今後も増え続けて、ピークとなる2040年には年間160万人以上が死亡する推計もあります。
終末期の高齢者を支えることの必要性
このような時代背景から、介護業界において終末期ケアの重要性が増してくるのは間違いありません。
国は地域包括ケアシステムを推進しており、在宅での看取りも確実に増えてきます。
その一方で、終末期ケアについて専門的に学ぶ機会は圧倒的に少ないのが現状です。
そこで誕生したのが「終末期ケア専門士」と言う資格です。
新たな資格「終末期ケア専門士」とは?

終末期ケア専門士とは?
「終末期ケア専門士」は、終末期(ターミナル)のケアにおけるスペシャリストを目指す資格です。
根拠(エビデンス)に基づいたケアの実践をおこない、利用者の一番近くで「支える人」を育成します。
エビデンスベースの実践
終末期ケアについて基礎から学ぶことができ、エビデンス(根拠)がまだ十分に確立されていない分野の現状も知ることができます。
必要なケアには個人差があり、必ずしもエビデンスが有効な手段であるとは限りません。
しかし、エビデンスを知ったうえでケアの引き出しを増やすことは個別性のあるケアの実践につながります。

また、終末期ケアでは、はっきりと答えが出せない問題も多く、解決方法を見つけることが難しいケースがあります。
倫理観を育成するプログラムを組み、「お互いの違いを認める」「ありのままを受け入れる」「ケアをする自分自身のことも認める」などの感性も養うことができます。
終末期ケア専門士を取得するには?

受験資格
終末期ケアの試験を受けるには、受験要件があります。
受験資格があるのは下記の有資格者です。
- 経験2年以上
医師、看護師、保健師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、 臨床工学技士、歯科衛生士、管理栄養士、臨床検査技師、放射線技師、介護支援専門員、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士
- 経験3年以上
栄養士、准看護師、介護士(実務者研修)
基礎資格が必要であるため、ある程度の経験年数がある方が対象になります。
試験科目
勉強科目は下記の通りです。
終末期ケアを行うための知識が詰め込まれています。
医療面、心理面、社会保障制度面が主ですが、エンゼルケア(死後の遺体のケア)など福祉分野にはない項目です。
資格取得後のキャリアアップ
資格取得後もステップが用意されています。
- 終末期ケア専門士
- 終末期ケア上級専門士
- JTCA(日本終末期ケア協会)アドバンスインストラクター
資格維持のためには定期的に研修を受ける必要があり、常にスキルアップが図れるシステムとなっています。
ただし、3年毎に5000円が資格の更新料金が掛かるのはデメリットと言えます。
試験勉強には公式テキストが必須
資格取得のためには、公式テキストが必須。
まずは、購入して勉強をはじめるところからはじめましょう。
このテキスト、内容がめちゃくちゃ濃いです。
例えば、ターミナルケアの基本とも言える「褥瘡ケア」。
図解も交えてわかりやすく記載してあります。

福祉分野では詳しく学ぶことのできない、死後のアフターケアを行う「エンゼルケア」。
具体的な手法まで学ぶことができます。

哲学的なテーマの「生と死」。
いろいろと考えさせられるものがあります。

このように、各分野で学ぶことが凝縮された、充実したテキストになっています。
まとめ

これからの時代にマッチした資格「終末期ケア専門士」。
気になる方はぜひ受験してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!