こんにちは。
リョーマ@Ryoma_Sugiです。
今日は丹野智文さんの講演会控えめに言って最高でした。
笑いあり、本音ありで、色々なパワーを貰えた。
講演の内容を自分なりにまとめ
【認知症とともに笑顔で生きる】⬇️ pic.twitter.com/SqGwzwg0zr
— リョーマ/介護士 (@Ryoma_Sugi) July 3, 2019
目次
丹野智文さんの講演会「認知症とともに笑顔で生きる」

2019年7月3日に豊田市の福祉センターで開催された講演会「認知症とともに笑顔で生きる」へ行ってきました。
愛知県の介護事業所有志で組織されたケアネットワーク絆という団体の10周年を記念して開催され、基調講演は若年性認知症当事者である丹野智文さんが行われました。

当日はぱっとしない曇り空でしたが、会場に入ると受付で行列ができており、大勢の方が来場されていました。
私は開場と同時に入り、最前列に座ってお話を聞くことができました。
講師:丹野智文さんについて

丹野智文(たんの ひろふみ)
1974年 宮城県生まれ ネッツトヨタ仙台勤務。
略歴
ネッツトヨタ仙台でトップセールスマンとして活躍中の2013年、39歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断される。診断後は営業職から事務職へと異動し、勤務を続けながら不安を持っている認知症ご本人のための物忘れ総合相談窓口「おれんじドア」の実行委員会代表を務め、自らの経験を語る活動に力を入れている。
2014年藤田和子氏らとともに、国内初の当事者団体「日本認知症ワーキンググループ」を設立(2017年に一般社団法人化)。2015年1月には首相官邸で「認知症になっても働くことができる」と安倍首相と意見交換。認知症当事者の意見を聞いて対策を進めてほしい」という想いは、国の認知症施策「新オレンジプラン」にも反映された。
講演会レポート

第1部 講演会「認知症とともに笑顔で生きる」
開園時間になり、主催者あいさつの後、颯爽と舞台袖から丹野さんが出てこられました。
最初はカンペを読み上げる形で、今日に至るまでの過程を家族や仕事場でのエピソードを交えながらお話しして下さいました。
このあたりの内容は彼の著書の内容とほぼ一緒でした。
原稿を読み上げる彼の姿を見たときの正直な感想は、「認知症が進んで、原稿を読み上げるくらいしかできないのかなあ」と思いました。
しかし、その身勝手な偏見はすぐに覆されます。
原稿を読み終わり質疑応答になった途端に、彼の表情が生き生きとして、会場の観客へ語りかけ始めました。
「質問ないですか?」「何でも答えますよ」ととても軽快な語り口。
この日は講演会前に豊田市長に面会しグランパスのユニフォームをプレゼントされたとの事でそれを着て出て来られたのですが、「仙台出身なので本当はベガルタ仙台を応援してますけど」と冗談も交えて、とてもお話が面白かったです。
その後、時間のある限り、来場者からの質問に答えられていました。
第2部 シンポジウム「本人と共に考える社会」
その後、名古屋市や豊田市の取り組み報告を挟んで、シンポジウムへと移りました。
丹野氏含め豊田市、名古屋市の3人のシンポジストで話は進んでいきますが、その中でもやはり当事者の意見というのはとても重みがありました。
豊田市は車の街ということで高齢者の運転の話題になり、「一方的に取り上げるから問題になる」と言われていて、なるほどなあと思いました。
おまけ:講演終了後
講演終了後、ロビーで記念撮影やサインをする姿を見て、人柄が出ていてとても暖かい気持ちになりました。
人だかりができていて、いろんな方々とお話をされていて、勝手な解釈かもですが、「社会を変えたい」という情熱を感じました。
「認知症とともに笑顔で生きる」ための3つのこと

今回の講演会から学んだことを自分なりに3つのポイントにまとめました。
①認知症への偏見をなくす
②社会全体で理解・サポートする
③とにかく当事者の本音を聴く
一つずつ深堀りしてお伝えしていきます。
認知症への偏見を無くす
介護職こそ「認知症=常に守らないといけない存在」との偏見があると話をされていました。
実際はそんな事はなく、症状は人それぞれです。
目の前の「人」をもっと見て、出来る事まで支援者が奪わないという姿勢が必要だと思いました。
また、その人らしい生き方を実現するためには必要なリスクを取る覚悟が大切ですね。
・介護職から「ジュース買えるなんてすごい」「携帯使えるんですね」など声を掛けられた。
・山登り行こうと言われていったが、当人たちが到底満足できないハイキングみたいな内容だった。
社会全体で理解・サポートする
家族、会社、地域で支えれば認知症になっても不安なく暮らせるとお話しされていました。
丹野さんは「この講演会の当日も、電車を乗り継いでこられたそうですが、切符の買い方や駅員に聞きながら来れば何も困ることはない」とのこと。
自分が忘れても周りが覚えていてくれる安心感が大切ですね。
当事者は失敗したくはないが、失敗しても許してくれる社会なら生きやすいですし、認知症は誰にでも起こりうるから、自分ごととして考えるべきだと思いました。
・地域で困っている方々を見かけたら気軽に声を掛けてみる。
・会社のサポートにより認知症になっても働き続けることができる。
・認知症の方が道に迷っても地域の見守りで自宅へ帰ることができる。
とにかく当事者の本音を聴く
とにかく当事者の話をもっと聴くべきというお話を何度もされていました。
認知症になると本人の気持ちを家族や周りが抑圧しすぎる傾向があります。
その為には当事者同士で話ができる環境が効果的で、認知症の診断から介護保険サービス利用までの空白期間にアプローチする必要があるという指摘でした。
認知症利用者に「対して」何ができるかではなく「共に」何ができるかを考えていくことが大切ですね。
・仙台では物忘れ外来の横に当事者と話ができるスペースを設置し、空白期間を埋める活動をしている。
・名古屋市では当事者の会が発足し、色んな活動をしている。
・家族の前では本音は言いにくいので個別で話でる環境を作る。
さいごに
今回の講演会に参加をして、改めて当事者の意見をもっと聴かないといけないなあと思いました。
特に介護のプロこそ、「認知症」という病気を見すぎて、その人自身を見ていないなあと感じました。
- 目の前の利用者の話に耳を傾けること。
- 当事者のいろんな活動や想いをアンテナ広げてキャッチしていくこと。
この2点を心掛けていきたいと思います。
講演会だけでなく書籍、映画など当事者が発信している事はたくさんあると思うので、もっともっと勉強していきたいと思いました。
最後までお読み頂きありがとうございました!